CES2025参加レポート#4:プラザクリエイトの挑戦~時代の変化を捉えた新たな価値創造へ~

アイキャッチ画像(マガプラ記事no.48用)CES2025参加レポート

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2025年1月のCESレポート、最終回となる今回は、私たちプラザクリエイトグループの今後の展開についてお話しします。

3回にわたって紹介してきた最新テクノロジーの数々。
単なる製品展示の場から、国際的なビジネスマッチングの場へと進化したCESでの出会いは、写真プリントのリーディングカンパニーとして歩んできた私たちの未来への大きなヒントとなりました。

CES®(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)

1967年からアメリカのラスベガスで毎年開催されている、世界最大規模のテクノロジー見本市。新製品の発表や技術革新のプラットフォームとして、世界中の注目を集める。家電業界をはじめ、自動車、IT、ヘルスケアなど多岐にわたる分野の企業やスタートアップが参加し、次世代の技術やトレンドを紹介。また、業界のリーダーによる基調講演やパネルディスカッションが行われ、テクノロジーがどのように社会やビジネスを変革していくかについて議論される場でもある。

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CESから見えてきた3つの方向性

今回のCESでは、多くの企業とミーティングを重ね、新たな可能性を探ってきました。そこから見えてきたのは、以下の3つの方向性です。

1つ目は、デジタルとアナログの融合による体験価値の創出です。ARメガネのように、デジタル技術はいよいよ実用段階に入っています。例えば、当社の写真や映像に関する技術と、ARやVR技術を組み合わせることで、新しい思い出作りの体験を提供できるのではないでしょうか。すでにいくつかの企業と具体的な協業の可能性について議論を始めています。

CESで出展されていた、日本でもすでに販売をスタートさせているRokid社のARメガネ。最大215インチ相当の巨大スクリーンに高画質な映像が映し出される。

2つ目は、インバウンド向けサービスの拡充です。全国約200店舗のパレットプラザネットワークは、当社の大きな強みです。この店舗網を活用し、海外からの旅行者向けに、日本でしか体験できない思い出作りのサービスを展開していきたいと考えています。例えば、和装体験と組み合わせた写真撮影サービスや、伝統工芸品とのコラボレーションなど、「日本らしさ」を前面に出したサービスの可能性を探っています。

「日本らしさ」と世界を結び合わせる広場を目指して

そして3つ目が、AI技術を活用した新サービスの開発です。CESでは、エッジAIの進化が印象的でした。特定用途に特化したAI技術は、コストと消費電力の面でも現実的な選択肢となってきています。例えば、子供の写真に特化したAIカメラシステムや、結婚式の思い出をリアルタイムで編集・加工できるサービスなど、具体的なプロジェクトの検討を始めています。

エッジAIはクラウドAIと異なり膨大なデータ送受信を必要としないため、より価格を抑えての提供が可能と考えられる(参考:東芝情報システムズ

「広場」という原点に立ち返って

私たちの事業の根底には、常に「温かさ」「温もり」「笑顔」というキーワードがあります。それを感じられる瞬間に人の心が動く──そう信じて事業を展開してきました。

今回のCESで、MIXIが展開していた感情支援ロボットの展示を見て、改めて考えさせられました。テクノロジーは効率化のためだけではなく、人々の感情に寄り添い、心を豊かにするためにこそ活用されるべきではないでしょうか。

利便性よりも心の拠り所となるために開発されたペット型ロボットなども、事実、多くの人々の癒しとなっている

実は、プラザクリエイトという社名には「広場をつくる」という意味が込められています。昔、当社は結婚式場やカフェも手がけていました。それは全て、人々が集まり、何かを共有できる「出会いの場」を作りたいという思いからでした。

この「広場」というビジョンは、デジタル時代においても変わることはありません。むしろ、オンラインとオフラインの融合により、その可能性はより広がっていくと考えています。

未来への具体的な一歩

では、具体的にどのような展開を考えているのか。

まず1つが、「HATTO CREATIVE PLAZA」の進化です。カフェとプリント工場を組み合わせた拠点をさらに発展させ、デジタル技術を活用した新しい体験の場を創出していきます。また、アパレルEC事業との連携も強化していきたいと考えています。

カフェ内にプリント工場(写真左側の赤枠窓の向こう)を併設したHATTO COFFEE

2つ目は、デジタルプリント技術の用途拡大です。オンデマンドでの商品提案・製造システムの構築や、海外デザイナーとの協業による新商品開発を進めていきます。同時に、環境負荷の低減を意識した生産体制の確立も目指します。

HATTO CREATIVE PLAZAに設置されたオンデマンドプリンタ「Atlas Max」(写真奥側に見えるのがHATTO COFFEE店内)

そして3つ目が、グローバル展開の加速です。インバウンド向けサービスの本格展開、海外企業とのアライアンス強化、日本文化の発信拠点としての機能強化などを進めていきます。

舞台を世界に拡大していく

チームで描く未来

どの事業を展開するにしても重要なのは、一人のカリスマが引っ張っていく組織ではなく、多様な個性を持った人材が活躍できる場を作ることです。地方の店舗には様々な個性を持った人材がいて、その一人一人がアイデアを持っています。

BY THE PARKの参画で、アパレルEC支援の知見も加わりました。こうした新しい仲間とも手を携えながら、より大きな社会貢献ができる企業グループを目指していきます。

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フランチャイズや新しいサービスを通じて、各地域に「広場」をつくっていく。新しい技術も活用しながら、より多くの人々に「出会いの場」を提供していく。そして何より、家族が幸せになれる、子どもたちが夢を持てる、そんな場所づくりを大切にしていきたい。

プラザクリエイトの掲げる「みんなの広場をつくる。」のイメージ
プラザクリエイトが掲げるミッション、「みんなの広場をつくる。」

それは決して簡単な道のりではありませんが、今回のCESで出会った多くの企業や技術との連携を通じて、必ず実現できると確信しています。プラザクリエイトグループの新たな挑戦に、どうぞご期待ください。

(おわり)

(シリーズ全編はこちら)

(CES参加者・話し手)

株式会社プラザクリエイト新谷代表アイコン

新谷 隼人(しんたにはやと)

株式会社プラザクリエイト 代表取締役社長。広告代理店勤務を経て、株式会社リクルートに転職し、3年連続でMVPを獲得。リテール新規開発グループやカスタマーサクセス領域にてマネージャーとして活躍。2019年に株式会社プラザクリエイトへ入社。取締役を経て、2022年より代表取締役社長に就任。

(聞き手)

いからしひろき

プロライター、日刊ゲンダイなどでこれまで1,000人以上をインタビュー。各種記事ライティング、ビジネス本の編集協力、ライター目線でのPRコンサルティング、プレスリリース添削&作成も行う。2023年6月にライターズオフィス「きいてかく合同会社」を設立。

きいてかく合同会社: https://www.kiitekaku.com/

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