カメラを連れておでかけ/やっぱりカメラって楽しい!懐かしのコンデジで撮影体験

写真家のこばやしかをるです。今回は、昨今の中古コンデジ(コンパクトデジカメ)ブームに乗っかり、編集長とコンデジをもって、浅草に撮影にでかけてきました!
カメラ内の意外な機能の発見や、撮影の時の視点の違い、そして中古のコンデジを購入する際の注意点など、盛りだくさんにお伝えします。
パレットプラザでもオリジナルのカメラを販売していた!
ご存知でしたか? 実は、過去に写真店パレットプラザではオリジナルのカメラを販売していました。
プラザクリエイトが自社ブランドのデジタルカメラ 「PLAZACREATE Dシリーズ」 を発表したのは2010年のことです。
当時(2010年代前半)は、すでに携帯電話のカメラ性能が上がり、iPhone 4Sや5が登場し、世の中にスマホが出始めた時期で、まだまだフィルムカメラが主流でしたが、写真がデジタルデータとして定着し始めていました。
「PLAZACREATE Dシリーズ」は、カメラを販売すること以上に「このカメラで撮って、パレットプラザにプリントしに来てほしい」という、写真店ならではの想いを込めたプロダクトとして誕生しました。
今回撮影に使ったコンデジ「PLAZACREATE DW2040」もその一環として、2017年春に生まれた商品です。
ウォータープルーフ(防水)のデジカメで、「スマホやカメラを水に落としたら怖いけれど、この1万円台のデジカメなら思いっきり遊べる!」「子どもに持たせても良さそう」という安心感と、普通のコンデジよりも海辺や雨の日などでもガシガシ撮れて、砂浜やキャンプなどの汚れやすいアクティブなシーンで活躍できるメリットもあり、人気のカメラでした。

残念ながら生産終了品となっています
【PLAZA CREATE DW2040 製品仕様】
有効画素数:約2,000万画素(20メガピクセル)
光学4倍ズーム:焦点距離(35mm判換算)広角端約26mm 〜 望遠端104mm 相当
液晶モニター:2.7インチ フルカラーLCD
防水・防塵性能:IP58準拠(水深10mまで / 防塵 IP5X)
動画撮影:最大 720p (HD画質)
記録メディア:microSD / microSDHC / microSDXCカード
サイズ:約 107.5 × 66.15 × 50.45 mm
価格:約12,800円(税抜)
※2017年発売(販売は終了しています)
なぜ今、古いコンデジが魅力的なのか?
最大の理由は、スマホカメラの写真が「綺麗になりすぎたこと」への反動なのだとか。
生まれた時からスマホが当たり前だったZ世代(現10代後半〜20代)の彼らにとって、古いデジカメの画質は古臭いものではなく、「未知の新しい表現ツール」です。
TikTokやInstagramなどのSNSでの投稿をきっかけに爆発的に広がりました。
また、かつてリアルタイムでコンデジを使っていた再燃層(現30代〜40代)は、「そういえば家にあるな」と思い出して、再び持ち歩き始める人が増えているよう。
その理由は…
不完全さの魅力=エモさ
今のスマホはAIが自動で補正して、誰でも失敗なく高画質な写真が撮れますが、古いデジカメは画素数が控えめで、独特のノイズやにじみが出ます。これが若者には「フィルム写真っぽくてエモい」「加工感のない自然なレトロさ」なのだそう。
フィルターアプリで加工する手間をかけずとも、シャッターを押すだけで最初から「雰囲気のある1枚」が撮れる点が支持されています。
ファッションアイテムとしての存在感もいい
デジカメは機種ごとにデザインや色が違います。
首から下げたり、カバンから取り出したりする動作そのものが、自分のスタイルを表現するアクセサリーとして楽しまれています。
「撮る体験」カメラという道具の楽しさ
ズームの駆動音やシャッターボタンのクリック感など、「物理的な機械を操作している感覚」が、デジタルネイティブ世代には逆に新しく感じられるようです。
コンデジならではのおもしろ撮影機能
古いコンデジには、フラッシュやアート効果などの機能が盛りだくさん。
中古のコンデジを購入する際には、カメラメーカーと機種名・型番などで検索し、説明書を確認してどんな機能があるかチェックしてみましょう。
カメラの機能であるアート効果を使って撮影すると、液晶画面で見ている時と、撮影後の印象がガラリと変わることがあります。「これ、ちょっと変な色かな?」と思うくらいの設定で撮っておくと、後で見返した時に最高にエモい1枚に化けることが多いです。
今回使用したDW2040にも、たくさんの撮影モードが搭載されています。


ハマるシーンがありそうです
アート効果は他にもたくさんあり、記録するだけではない楽しみ方がいろいろと体験できます。


撮影:こばやしかをる

撮影:西岡編集長

撮影:こばやしかをる
思いがけず発光してしまったフラッシュ撮影の写真も、どこか昭和レトロな雰囲気が漂います。
老舗の喫茶店らしい写りがにくいです(笑)

違いを発見!フォトウォークの写真を撮り比べ
そんなカメラの機能を探りつつ、「DW2040」を連れて編集長と浅草に撮影に出かけました。
編集長と私は東京下町育ち。そんな二人が浅草で何を見つめてどう切り取ったのか。その視点の違いや、アート効果を使った撮り比べをぜひご覧ください。
はじめに目についたのは、インバウンド旅行客に人気の古着の着物屋。
カラフルな配色が目に留まり、まずは1枚パシャリ。

下)アートモード2・まるで明治・大正時代の彩色写真のような写りです/撮影:こばやしかをる
スカイツリーが見える場所に河津桜が咲いていました。切り取りの違い、同じ場所にいてこんなに違います。

右)アートモード2・インバウンド旅行客も多く、時代構成おかしな感じが面白い/撮影:こばやしかをる
路地で出合ったオレンジ色の人型ロードポップサイン。鎖で電柱につながれていたので面白くて1枚。

右)アートモード1:よこ構図では具体的に切り取り、つながれている感じを捉えてみました/撮影:こばやしかをる
なんだかすごくレトロ感あるオシャレなデザインのカーディガンが目を引いたお店。気になって1枚。

下)アートモード1・商店街にあるお店だとわかる写真/撮影:こばやしかをる
猫のオブジェに遭遇しました。目がガラス製だったので、のぞきこんで撮影したら魚眼レンズのように歪んで写る面白さ。
興味を持って視点を変えてみると、こんな写真も撮れます。(あ、編集長に撮影中を撮られておりました)

右)撮影した「ガラス越しに見える景色」。視点を変えてみると楽しいです/撮影:こばやしかをる
最後に、この日のお気に入り写真をご紹介。
現存する日本最古の地下商店街として有名な浅草地下街入口には、シールがグラフィカルに貼られていました。さすが編集長、デザイナーとしての目の付け所が感じられますね。

私は吾妻橋の交差点で人力車×神谷バーをキャッチ。雷門以外の浅草らしい光景を狙ってみました。

こうして撮った写真を見比べるだけでも、すごく個性が発揮されているのがわかります。
撮影した後にアレコレとフィルター効果を加えるスマホ写真とは違って、シャッターを切るタイミングでアート効果を狙う難しさや、ちょっとボケたりぶれたりしてキレイに写りすぎず、「なんかこれもありかも」と思えてしまうゆるい感覚がカメラで撮影する醍醐味ですね。
ググっと寄って撮るマクロモード
休憩タイムに、編集長にマクロ撮影(※)を体験してもらいました。
マクロモードの最短撮影距離は、レンズの先端から約20cm ですが、さらに「スーパーマクロ」を使うと、ズームが自動的に一番広い(広角)位置に固定され、通常のマクロモード20cmよりもずっと近く、レンズ先端から約5cmまでググッと寄れます。

画面にオートフォーカス(AF)エリアのセレクト画面が出てきます

桜もググっと寄ってクローズアップ。広角なので背景まで取り込んで、行きかう人々の様子も写り、街のにぎやかさも伝わります。

ただただ気になるものをパシャパシャと撮るスナップ撮影も楽しいですが、写真撮影の基本として、自分が気になった被写体に寄ったり引いたりして見え方を変えること。
いろいろなモードや機能を組み合わせて楽しめるのもコンデジならではです。
プリントするとエモさが増します!
せっかくなので、撮影した写真をパレットプラザでプリントしてみました。
「春の浅草へ」をテーマにカラフルな色合いでまとめています。
左上の2枚は編集長おススメのお店。

アートモード2で撮影した写真は「タイムトリップ浅草」をテーマにセレクト。プリントしたら、より一層、深みと渋さが増してすごく面白い!
カメラでしか撮影できないこの風合いが気に入りました。もうすでに作品の域です。
これぞエモ写真!

画面で見ていると、なんてことのない記録写真だったりする1枚も、プリントだとカメラが持つ、味わい深い雰囲気のある一枚になります。
やっぱりプリントするって楽しいです。
PCやスマホで読み込む・転送する
撮影後、PCやスマホで読み込み、転送するのは比較的簡単です。
古いコンデジにはWi-Fi機能がないため、物理的にカードを差し替える方法が一番確実です。
カードリーダーという1,000〜2,000円くらいのPC用周辺機器を使えば、驚くほど簡単に写真を移せます。

最近のiPhoneやAndroidで「USB Type-C」に対応している機種ならカードリーダーを差し込むだけで直接データを見ることができます。iPhone14以前の機種なら 「Lightning(ライトニング)」 対応のリーダーが必要です。

カードリーダーを認識したスマホの画面の例です。カメラで撮影した写真は「DCIM」フォルダに入っています。


パソコンの場合も基本的には同じです。
SDカードスロットがあるPCの場合は、microSDを普通のSDカードのサイズにするアダプター(後述)に入れて、PCの側面にあるスロットに差し込みます。
スロットがない場合は、「カードリーダー」をUSB端子に刺して使います。
初めは少し手間に感じるかもしれませんが、デジタルデータの扱いや、カメラの作法に慣れておくことで慌てずにすみます。
中古のコンデジを購入する場合の注意点
さて、いろいろな楽しみが詰まったコンデジですが、中古で購入する際の注意点をお伝えしたいと思います。
昨今の「オールドコンデジブーム」の影響で、かつて数千円だった人気機種が値上がりしていますが、相場感と納得感がマッチしていて、ある程度の品質が保てていることが一番大切です。
ブームの影響で価格が変動しやすいですが、2010年前後のモデルで画素数は1000万前後、コンパクトで操作がシンプル、初心者にも扱いやすい機種が多いため、中古コンデジの適正価格の目安は8,000円〜13,000円が相場です。

購入時の目安として、実店舗で触れる場合やネットで質問・写真確認をする際の重要なポイントを以下にまとめてみました。
選ぶ際の注意点
レンズ交換ができないコンデジにとって、レンズの汚れは致命的です。
強い光(スマホのライトなど)をレンズに当てて、内部に白い糸状の筋(カビ)や、全体的な白濁(曇り)がないか確認してください。
白い壁などを撮影し、画像に同じ位置に黒い点が映り込まないか確認します。
電源を入れた際のレンズの繰り出しや、ズーム時の動きがスムーズか確認してください。
「ガタガタ」という異音や、引っかかるような動きがあるものは故障間近のサインです。

液晶画面が剥げたり変色したりしていないか確認を
古い機種は液晶が劣化して端が黄色くなっていることがあります。
液晶画面の表面コーティングが剥げてボロボロに見えるものも多いので、画面の視認性をチェックしましょう。
中古のバッテリーは劣化していますが、「今でも替えのバッテリーが安く手に入るか」は非常に重要です。
古いリチウム電池は、劣化すると少し膨らんでくることがあります。
カメラの電池蓋が閉まりにくくなったり、取り出しにくくなったら寿命ですので、無理に使わずすぐに新しい互換バッテリーに交換してください。
カメラを購入する際にも互換バッテリーが販売されている機種を選ぶと安心です。単三電池で動く機種もあり、バッテリーの心配がないので安心です。

必ず同じ型番の電池を使います。型番は電池の表面に記載あり

どこでも電池を入手することができるので安心です
また、レジャーや旅行で1日中使うのであれば、予備バッテリーを1〜2個持っておくことを強くおすすめします。
バッテリーは寒さに弱いため、スキー場や冬の海辺などで使用すると、急激に残量が減ることがあります。
記録メディアの確認は本体選びと同じくらい重要です。
なぜなら、古い機種には扱える容量の上限があるからです。
現代主流のSDカードがそのまま使えないケースや、カード代だけで数千円の追加出費になるケースもあります。
〝大は小を兼ねる〟と思って容量の大きい128GBなどを買うと、使えないリスクがあるため、必ずどんなメディアを使っていて、容量がどのくらいまで対応しているのか確認しましょう。

大抵のmicroSDカードにはアダプターが付属しますので、SDカードとしても使えます。
メディアを購入したら、カメラ内で設定メニューから「フォーマット(初期化)」を行ってください。これにより、カメラとカードの相性が最適化され、書き込みエラーを防ぐことができます。

劣化に注意
今回撮影に使用したDW2040のような防水・防塵機能を備えたアウトドアモデルの場合は、防水パッキンが劣化している可能性が高いため、必ず確認を。「水の中に入れても大丈夫」と思わない方が無難です。
保管時のワンポイント
カメラは湿気に弱く、放置するとレンズにカビが生えやすいです。
100円ショップなどで売っている密閉容器に乾燥剤(シリカゲル)と一緒に入れておくだけで、カメラの寿命が保たれます。
デメリットもあります
保証が短い、またはない場合があります。
動作不良や経年劣化のリスクがあることや、バッテリーなどの消耗品の状態が新品より劣っている可能性が高いことなどが挙げられます。
販売店の保証・返品条件を確認し、可能なら実機の動作確認をすると安心です。
おわりに
ひと昔前のコンデジを改めて使ってみると、「道具としての頼もしさ」と「レトロな味わい」を両立した楽しさがあり、今最も注目されている理由がわかるような気がしました。
スマホカメラで〝キレイ〟や〝映え〟を目指して撮影していると気付かなかった、夢中になって撮影してしまう感覚。
そして、現代の高解像度、高性能・高機能のカメラでなくとも、写真撮影の楽しさを体験できることを実感しました。
スマホではなくて、カメラで。
なんだかこの基本的なことを忘れてしまいたくないな、と感じた有意義な時間でした。
これから中古コンデジを購入しようと考えている方は、注意点を参考にしていただき、これからの写真生活を楽しんでくださいね。
(おわり)
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※記事に記載の店舗、アプリを含むサービス内容などは予告なく変更することがあります。本記事に記載の内容は取材時の内容です。
(この記事の執筆者)

こばやしかをる
写真家/PhotoPlus+主宰 /日本作例写真家協会(JSPA)会員
カメラ雑誌・WEB等に寄稿、撮影・プリント指導を行う他、展示・イベント、デザイン制作・企画、ディレクション、コンテスト審査員まで写真に関する幅広い活躍の場を持つ。 株式会社プラザクリエイトでは、商品企画・デザインを担当していた経験もあり。
(編集)

西岡明子
株式会社プラザクリエイト/入社以来、主にパレットプラザの商品・サービス・販促・店舗内装のグラフィックデザイン各種を担当し、2018年より展開のDIYキット「つくるんです®」ブランドの拡大に従事。また、フォロワー数1.6万を超える「つくるんです」公式Xを開設から2025年10月まで担当。入社約30年の長い社歴を生かした目線でマガプラを盛り上げるべく2025年10月よりマガプラの3代目編集長となる。













