【イベントリポート】世界中のメディアが注目・CP+(シーピープラス)2026に行ってきました!

「CP+(シーピープラス)2026」は、世界中のカメラファンや映像クリエイターが注目する日本最大級のカメラと写真映像の祭典です。
主要カメラメーカーはこのイベントに合わせて「世界初公開」の新製品を発表するのが恒例です。
近年では、写真だけでなくVlogやシネマカメラなど、映像制作(ビデオ)に関する展示も増えています。
「CP+」2026年の開催データ
公式サイト https://www.cpplus.jp/
期間 2月26日(木)〜3月1日(日)
会場 パシフィコ横浜 & オンライン
入場 無料
来場者数 4日間/ 総来場者数 5万8,924人
過去最多となる149の企業・団体が参加。その内、新規出展社数が45社、海外出展社数が38社で、こちらも過去最多の出展。
単なる新製品の展示会にとどまらず、写真文化そのものを楽しむイベントとしての側面も持っており、発表されたばかりの最新カメラやレンズを実際に手に取って試せるタッチ&トライをはじめ、有名写真家やYoutuber、インフルエンサー等のクリエイターによる撮影テクニックのレクチャーも、各社ブースで連日行われるなど大盛況のイベントです。
「CP+(シーピープラス)」の歴史的背景
「CP+」という名称で始まったのは2010年ですが、実はそのルーツはさらに半世紀以上前に遡ります。
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「日本カメラショー」の誕生(1960年〜)
戦後の高度経済成長期、日本のカメラ産業が世界を席巻し始めた1960年に「日本カメラショー」として始まりました。当時は三越などの百貨店で開催されており、日本製品の優秀さを世界にアピールする場でした。
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イベントの統合と分裂
その後、時代に合わせていくつかの展示会が統合され、2005年からは「フォトイメージングエキスポ(PIE)」という巨大なイベントになりました。しかし、業界団体ごとの方向性の違いから、2009年に主催団体の一つであったCIPA(カメラ映像機器工業会)が独立を決定します。
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「CP+」として新生(2010年〜)
2010年、CIPAが単独主催する形で新たにスタートしたのが「CP+(Camera & Photo Imaging Show)」です。 開催地がそれまでの東京ビッグサイトからパシフィコ横浜へと移りました。これは、横浜が「日本の写真発祥の地」の一つであるという歴史的背景を重視したためと言われています。

そんな歴史を持つCP+は、世界中のメディアが注目する年に一度の一大イベント。
会場で今、注目のアイテムをチェックしてきました!
「CP+2026」のトレンドは?
今回の取材では、若年層(Z世代・α世代)の心を掴む、小さくかわいいカメラたちが目を引きました。
フィルムカメラ、トイカメラの再燃です。
また、この〝小さくてかわいい〟は、携行性の良さがポイントにもなっているよう。「キレイに撮るならスマホがある」そんな世代に響くデザインとサイズのカメラはどんなものでしょうか。
気になったメーカーや、カメラをピックアップします!
まずは気になったのがこちら。昨今のコンデジブームになぞらえてでしょうか。キヤノンブースでは歴代コンデジ人気投票の結果発表がされていました。

そして、何よりも注目されていたのが参考展示のアナログコンセプトカメラ。
2枚のミラーを用いたウエストレベルビューファインダーを採用し、往年の二眼レフカメラを彷彿させます。
ミラーレスカメラのように、レンズを通して見える像を直接センサーで撮影するのではなく、スクリーンに投影された像をセンサーで撮影する構造を採用することで、スクリーンを介したにじみやボケ感でフィルムライクな質感が得られるのだとか。

これには、二眼レフカメラに懐かしさを感じ、いち早く体験してみたいオジサマ世代が釘付けになっておりました。
こちらは、話題になっているチェキシリーズ「mini Evo」の正統進化系で、シリーズ初となる動画撮影機能を搭載した「mini Evo Cinema」。
10種類のレンズエフェクトと10種類のフィルムエフェクトを組み合わせる「100通りの掛け合わせ」に加え、映画のワンシーンのような質感で撮れる「Cinemaモード」が追加されました。

デジタルで動画を撮りつつ、気に入った瞬間をその場で「チェキ」としてプリントできるハイブリッド感がSNS世代の自己表現にマッチしています。

スマホアプリを介してプリントもできます
今年発売から40周年を迎える写ルンですも相変わらずの人気です。

カメラレンズ用フィルターのメーカーでもあるケンコー・トキナーでは、クラシックカメラ風の超小型トイデジタルカメラ「Pieni」が人気。
ネックストラップ付きで、アクセサリー感覚で身につけて気軽に撮影を楽しむことができます。

新製品の発表もあり、話題になっていたのがこちら。
フィルムカメラのように、巻き上げダイヤルを回してシャッターを切るデジタルカメラ「Retro Digi 90」です。
懐かしいアナログ感の操作とともに、レトロな写りを楽しむことができます。
写真はカラー、モノクロ、セピアモードと、フラッシュ撮影も可能。 写真だけでなく音声付きの動画も撮れます。発売日はもうすぐ!楽しみですね。

2026/3/19日発売予定:1万円前後
話題と言えば、キーホルダーサイズのカメラKodak「Charmera」。
突如として旋風を巻き起こし、ネット上ではもちろん品切れ。
写真店・家電量販店でも延々と入荷待ちと完売を繰り返している大ヒット商品です。
中身のデザインが見えないブラインドボックスで、購入時にお気に入りデザインが当たるか?!引き当てるのも楽しみになっているのだそう。

過去のモデルにオマージュしたデザインで大人気
HOLGA(ホルガ)からも同様の商品が発売になるそうで、こちらは希望の色を選んで購入できるのだとか。

上(右):カラーイエロー、ピンク、white、レッドと4色展開のよう
下(左):HOLGA(ホルガ)のトイデジのパッケージ
下(右):Kodakはフィルムカメラも人気
ヤシカブランドも健在です。
1949年に日本の長野で創業された YASHICA は、1983年に京セラ株式会社が吸収合併を行いました。京セラは「CONTAX」ブランドのカメラを製造していたことから、カール・ツァイスレンズと同一マウントの「ヤシカ」ブランド一眼レフおよびレンズを併売していたこともあり、同マウントで両ブランドのレンズを使うことができました。(ザックリな省略ですみません)
そんな背景もあり、私自身をはじめ、ブースを訪れた人たちが「ヤシコン(YASHICA/CONTAX)レンズ使えるの?」と期待を込めた質問が飛び交います。

現在はレンズ交換式のカメラは造られていないとのことでしたが、伝統を大切にしながら、現代の写真技術も積極的に取り入れて製品作りを行っていきます。とお話ししてくださいました。今後に期待!

右(上):背面モニターが180度回転し、セルフィーも撮影できるコンデジ
右(下):使い切りカメラ「ヤシカボーヤ」はセブンイレブン7,500店舗で取扱中とのこと
初出展や、数年前から出展していた海外メーカー・ブランドが躍進し、ブースの規模が大きくなったことも今回の注目すべき点です。
こちらは海外製の人気マウントアダプターやカメラレンズ、アクセサリーなど、カメラ用品の輸入販売を行なっている焦点工房ブース。
「中華系ブランドのマニュアルフォーカスレンズでシネマチックな写り」というのも昨今の主流です。
製品が体験できるタッチ&トライは大盛況。

色合いもデザインもカワイイ海外ブランドのカメラたちも勢揃い。
日本のカメラメーカーが成し得ないことへの挑戦は目を見張るものがあります。

熱昇華式プリンター搭載カメラ。
撮ったその場でカードサイズの専用紙にプリントできる
上(右):香港 escura「Snap Roll」
フィルム型トイデジカメ。昔懐かしの35mmフィルムのパトローネのサイズ感とデザインがかわいい
下(左):ポラロイド「polaroid go generation 2」
今一番人気の世界最小のインスタントカメラ。同社最小フィルムのGoフィルムを使用する
下(右):韓国 サイトロンジャパン「Cookie」
指先サイズの超小型トイデジカメ。
わずか19gという驚異的な軽さと、クラシカルなデザイン。
5種のフィルターで、独特のローファイな写りが味わえるなど
精密機械が並ぶ他社とは一線を画す、ポップな雰囲気が特徴のLomographyブース。
90年代のノスタルジックな色再現を追求したフィルムや、色鮮やかでコントラストの強い「ロモグラフィック」な写真が撮れるネガフィルムなど最新ラインナップも。
昨年末に発売となったロモ初のAF(オートフォーカス)を搭載した「MC-A」が好評を博しているそう。

そのほかのブースでも、フィルムカメラや、フィルムスキャナーなどに足を止める人もいました。
フィルムもまだまだ根強い人気です。

上(右):FILM NEVER DIE/フィルムカメラNANA CAMERA LIMITED EDITION
下(左):現像済みフィルムをデジタルカメラで撮影するフィルムデュプリケーター用マウント
下(右):Lomography:ロモ初のAF(オートフォーカス)を搭載した「MC-A」
iPhoneのMagSafeマウントに対応したスマホ用のカメラ「Caira(カイラ)」。
これまでにも、スマホ内のカメラで撮影を行う、同じような操作感の製品はありましたが、「Caira」はマイクロフォーサーズ規格のレンズ交換式ミラーレスシステムと、LLM(大規模言語モデル)ベースのAIを組み合わせた次世代カメラです。
Panasonic、Olympus、Leica、Sigmaなどの100種類以上のマイクロフォーサーズレンズが使用可能というメリットも。
これはマイクロフォーサーズのレンズ資産をお持ちの方に朗報ではないでしょうか。

日本では、2026年5月からMakuakeにてクラウドファンディングを開始する予定で、850ドル前後で発売予定だとか。現在アプリは日本語未対応ですが、クラウドファンディングの開始時には日本語にも対応し、クラウドファンディング後は大手カメラ量販店でも販売予定。

スマホだけで済む写真ではなくて、カメラとして楽しむことの提案がされていました。これは期待大です。
プリントコーナーも順番待ちするほど大人気!
キヤノンブースのフォトプリントコーナーは、スマートフォンやパソコン、SDカードから手軽にプリントできることもあり大盛況で、順番待ちになるほどの人気。
ブース内には、写真をカタチにする方法のヒントが展示されていました。

右(上・下):写真をカタチにする楽しさの提案
DNPフォトイメージングジャパンブースでは、高品質な写真を手軽にプリントできる昇華型フォトプリンター「PrintRush」が順番待ちの人気ぶり。
同製品に使われているロール紙を活用した多彩なプリントが展示されていました。
スマホからのプリント需要により、小さなサイズが人気で、ロール紙にミシン目を入れることで仕上がりのサイズにバリエーションを持たせたとのこと。

このほかにも透過する光で淡い雰囲気が感じられる半透明のフィルムにプリントができるなど、これまでのプリントのイメージとは異なるものが並んでいました。
スマホケースに入れて持ち歩ける「フォトチップス」、長尺を活かした「パノラマ」写真、短冊状の「フォトバナー」など、イベント会場や販促商品として人気のアイテムのようです。
「まだ限られた一部店舗のみでしか取り扱いがないのですが、ご要望次第でサービスの拡充を考えています」とのこと。ブース内では今後の製品化にむけた人気投票も行われていました。

右(上):「パノラマ」写真
右(下):短冊状の「フォトバナー」
「小さくてかわいい」は、カメラだけではなくプリントのカタチにも現れています。
写真プリント=作品ではなく、プリントがより身近なものに感じられていることがわかりますね。
2月28日・3月1日限定開催「ZINES FAIR at CP+ 2026」
CP+の同会場2階、アネックスホールにて開催されていた「ZINES FAIR」にも立ち寄りました。
個性豊かなクリエイターたちの作品が勢ぞろいする「ZINES FAIR」は、機材よりも〝何を表現するか〟に特化した、インディペンデントな写真集の即売イベント。
こちらも、写真をプリント(印刷)し、カタチにする表現のひとつです。
普段はオンラインや限られた書店でしか手に入らない、作家手作りの「ZINE」を本人から直接購入でき、既存メディアに頼らない自己表現の手段として広がっています。

そもそもZINE(ジン)って何?
ZINEの語源は、Magazineから来ています。
個人や少人数グループが、自由な発想で制作・発行する自主制作の小冊子のことで、「作り手の好き」や「個人的な主張」をそのまま形にできるのが最大の特徴です。DIYやクラフトの要素も持ち合わせていて、デザイン、印刷、製本まで自分で行う手作り感を楽しむ文化の一つといえます。
出展作家にインタビュー!
そんなフォトジンを楽しむ作家で構成されたグループ「PIKO」の3名にお話をうかがいました。
使っているカメラが同じという経緯でつながったり、写真集を構成するワークショップで知り合ったのだとか。
ZINEを作ることで何を感じているのでしょうか。

こばやしかをるZINEを作る意義や、
作ってみて感じていることなどがあれば聞かせてください。
鈴木ナオコさん
写真を選ぶとき、まずプリントすることで自分の思い入れの強さを一旦放置します。
そのことで、もう一度自分が何を伝えたいのか、具体的に方向性を決めてまとめることができるようになりました。
SNSでは伝えきれないことも直接お話できるので、そういう面でもZINEと、対面販売という形態には魅力を感じています。
akikoyanaさん
ZINEを作ることで、自分が伝えたいことの全体像を可視化することができます。
そこからコミュニケーションが生まれ、相手との会話や関係が生まれる。
ZINE自体がファシリテーターになってくれています。
イカマリネさん
写真仲間の一人から「イカマリネさんってこんな人だったんだ、知らなかったかも」という言葉をいただきました。
ZINEはテーマや形式上の制約が少なく、制作者の意識や思想がストレートに映り込む媒体です。
そのおかげで、普段のフォトウォークやSNSでは見えなかった私の一面を伝えることが出来ました。
なるほど。ZINEが担う役割も、形もサイズもデザインもそれぞれ。
フレームに入れられた1枚のきれいな写真では伝えきれない想いがZINEには詰まっているようです。
そのほかの出展ブースも個性たっぷりで独特な世界観があり、作家さんの熱量が伝わってきて、写真表現の意欲の高さを感じました。
今、世代交代が面白い。
今回のCP+2026を歩いてみて、ひしひしと感じたのは「世代シフト」です。
数年前までなら「本気で撮るなら一眼レフ・ミラーレス」でしたが、今はちょっと違います。
「普段はスマホで十分だけど、それだけじゃ物足りない。カメラでしか出せない〝エモさ〟が欲しい」という、直感的なニーズが確実に広がっています。
高解像度やハイスペックな機種の人気はこれまでと同様ですが、それと反するように、不便さやノイズを「味」として、あえて不自由を楽しむトイカメラ的なプロダクトが支持される背景には、単なるスペック消費ではない、ユーザーの選択眼があります。
また、自作の「ZINE」で自分を表現する彼らにとって、カメラは記録の道具ではなく、感性をアウトプットするためのもの。
「高品質だから良い」ではなく「自分のワクワクに投資する」という潔いお金の使い方は、今の時代のリアルな空気感そのものです。
写真表現の自由さを当たり前に受け入れた世代が、これからどんな「新しい景色」を見せてくれるのか。
そんな期待に胸が膨らむ、刺激的な一日でした。
(おわり)
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※記事に記載の店舗、アプリを含むサービス内容などは予告なく変更することがあります。本記事に記載の内容は取材時の内容です。
(この記事の執筆者)


こばやしかをる
写真家/PhotoPlus+主宰 /日本作例写真家協会(JSPA)会員
カメラ雑誌・WEB等に寄稿、撮影・プリント指導を行う他、展示・イベント、デザイン制作・企画、ディレクション、コンテスト審査員まで写真に関する幅広い活躍の場を持つ。 株式会社プラザクリエイトでは、商品企画・デザインを担当していた経験もあり。
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西岡明子
株式会社プラザクリエイト/入社以来、主にパレットプラザの商品・サービス・販促・店舗内装のグラフィックデザイン各種を担当し、2018年より展開のDIYキット「つくるんです®」ブランドの拡大に従事。また、フォロワー数1.6万を超える「つくるんです」公式Xを開設から2025年10月まで担当。入社約30年の長い社歴を生かした目線でマガプラを盛り上げるべく2025年10月よりマガプラの3代目編集長となる。














