アマゾンジャパン×スタメン×プラザクリエイトによる特別パネルディスカッション~「キャリア」と「鍛錬」、そして「縁」

2025年9月16日、アマゾンジャパン合同会社の本社にて、3社からの代表が登壇するパネルディスカッションが開かれました。登壇者は、アマゾンジャパン合同会社より鐸木本部長(Amazonビジネス事業本部 コマーシャルセクター営業本部長)、株式会社スタメンより大西代表、そしてプラザクリエイト新谷代表の3名。
過去の登壇や対談により関係性を深めていったことから実現した本講演。立場も経験も異なるそれぞれの「出発点」を語り合う中で見えてきた、「キャリアの本質」から続く「縁」とは、いったいどんなものだったのでしょうか?
登壇者PROFILE

鐸木 恵一郎(すずき けいいちろう)氏
アマゾンジャパン合同会社 Amazonビジネス事業本部 コマーシャルセクター営業本部長
2017年6月アマゾンジャパン合同会社に入社。Amazonビジネス事業本部にて大手~中堅中小企業向け営業部門を統括。アマゾンジャパン入社前は、グーグルにてオンライン広告・メディア、クラウドサービスの営業管理職に従事、それ以前はセールスフォース・ドットコム、SAPにてインサイドセールスのマネジメント職を担当。

大西 泰平(おおにし たいへい)氏
株式会社スタメン 代表取締役社長/CEO
筑波大学卒業後、大手広告会社やITベンチャーの海外拠点責任者を経て、2016年に株式会社スタメンを共同創業。営業・開発・財務など幅広い経営経験を持ち、2023年1月より代表取締役社長/CEOに就任。多様な実務経験とリーダーシップで、スタメンの成長を牽引している。

新谷 隼人(しんたに はやと)
株式会社プラザクリエイト 代表取締役社長
1986年、大阪生まれ。広告代理店を経て、株式会社リクルートに転職、3年連続MVPを獲得。リテール新規開発グループやカスタマーサクセス領域にてマネージャーとして従事。2019年に株式会社プラザクリエイトへ入社、新規事業創出をリード。取締役を経て、36歳にして2代目社長に就任。
バンド存続のために始めた就活、その先は——
講演は、スタメン大西代表の「出発点」を皮切りにスタート。現在のキャリアからは想像できない動機が原点だったようで…?

大学時代はバンドに本気で取り組んでいました。だから卒業後の進路を考えるのも、「続けるにも働かなきゃ」とバンド活動ありきの思考でした。就活もバンド仲間と一緒にやってたくらいです





でも働き出してみると、仕事が面白くて。私自身はどんどん、ビジネスの世界にのめり込んでいきました。同様にバンドメンバーも、大手広告会社、外資系代理店を経て海外事業、スタートアップから外資テックとそれぞれの道へ——。同じ場所からの出発でも、進む道は面白いくらい分かれていきましたね



大西さんのキャリアついて赤裸々に語られたnoteの記事を拝見し共感しました。よく言われる「コネクティング・ドッツ」という話がありますが、まさに体現されているなと



ありがとうございます。結果だけ見れば、ベンチャーで海外や東京の立ち上げを経て創業、というキャリアですが…。思い返すと実際は“出たとこ勝負”で、その瞬間瞬間を悩みながらやってきたという感覚です。もちろん「もっと良くできたかもしれない」と思うことはありますが、同時に今の自分のキャリアに概ね満足する気持ちもあります。ただ、常に「もっと良くするには?」を考えることは忘れないようにしていますね



私自身も、その時々で「これで正しいのか?」と思いながら重ねた経験や失敗が、今につながっていると実感しています



ビジネスで成果を出すために重要なことは、 「他の人には出せない成果」 を出すことです。皆が選ぶ選択肢はコモディティ化する。だからこそ、他の人が選ばない一手を仮説に基づいて選び、反対されても成果で示す。これが仕事の本質であり、キャリアにも通ずるものがあると思っています
積み重ねを「点」で終わらせず「線」へ



自分の場合は、新卒でリクルートを志望しましたが、採用が厳しい年で不採用に。そこで「厳しいところへ行こう」とベンチャー広告代理店でキャリアをスタートすることにしました。
かなりハードな生活を2年続け黒字化に成功し、やっと報われると思ったら部署が解体。その後リクルートに入社し、研修で会社PCと新幹線切符を渡されたときには涙が出るほど嬉しかったのを覚えています



夜行バスでの移動が日常だった仕事生活から、新幹線への切符が当たり前のように手渡される環境へ変わったわけですから…文字通り、世界が変わるほどの衝撃だったでしょうね



そうなんです。それでも、リクルートでは「利益が出ていてもより収益性の高い事業に資源を集中させる」意思決定を目の当たりにしたことで、“会社の方向性は個人の意思とは無関係に決まる”現実を痛感する経験もありました。今、縁あってプラザクリエイト代表を務める中で、「楽しくなくなったらやめよう」という思いはあれど現在まで続けられているのは、常に 「今、誰に何を必要とされているか」 に耳を澄ませてきたからだと思ってます



自分も新谷さんも創業社長ではありません。目の前のミッションをやり切っていたらチャンスが転がってきた。一生懸命やっていたから縁がつながった。人との縁は点で終わらせず、線にすることが大事です
アウェー体験の大切さと、「パクチー理論」?





アマゾンの採用は、行動指針に共感し体現できるかを重視します。ですから集団としてみると、同質性は一定高い面もあるかもしれません。だからこそ意図的に“外”に出てアウトプットすることを大事にしています。名刺の信用を活用し“アウェー”に出る時間を意図的に作ることで、キャリアの偶発性は増していきますから



“アウェー体験が鍛錬になる”、よくわかります。自分自身も、困難なプレゼン経験が成長の起点でした。成果を言語化し、他者に学びを提供することで抽象度が上がり、自分の軸も磨かれていく。
今でも、自社を知らない人に説明する難しさに「まだまだ考え切れていない」と反省することも多いですが、叩かれる前提で挑むことが成長になると感じますね



少し表現の方向性が変わってしまうかもしれませんが。僕は「自分はパクチー」と表現するんです



パクチー?ですか?



はい。好き嫌いは分かれるけれど、合う台所に立てば主役になれる。という意味で。
万人受けを目指せば良さも薄まり失われますから、「個性を崩さず、評価される場に立つ」。汎用性の高い卵を目指す必要はありません。自分の立ち位置を俯瞰し、使いどころを見極める。場が変われば、同じ自分でも“主役の食材”になれると思っています



大西さんらしい、味のある良い表現ですね



先ほどの点と線の話で言えば——。外に立って直接の成果が得られないと思っても、めぐり巡って縁や機会になることもありますよね



それこそ、今回の機会がまさに縁の巡り合わせで実現したものですね



自分の考えを外で話すことは、インプットの何倍も準備が要り大変です。でも、本気でぶつかった分が自分の成長や、人との縁に繋がっていきます。ですからみなさんにも、ぜひ前向きにチャレンジしていただきたいですね
大切にしている“軸”
セッションの最後は、会場からの質問への回答で締め括られました。質問はずばり「大切にしている軸は?」について。



“自分を信じること”です。キャリアがうまくいっていない時期でも、平場で見れば負けていないはず、とメタ認知することで自己効力感を保ちます。他社の事例を見て「彼らにできるなら自分たちにもできる」と信じるエネルギーを絶やさないことですね



“プロでありたい”という信念です。仕事で来る“どんな球”にも食らいつき、打ち返す意思と準備を絶やさないこと。体調管理や睡眠といったルーティンを整えることもプロの作法として大事にしています


出発点も進む先も異なる3名が、業界の壁を越えて繋がり合い実現した本講演会。
キャリアの中で直面する困難も、志を持って取り組むことで思わぬ可能性へとつながることを改めて教えてくれました。
この記事を通じて、読者の皆様のキャリアにも新たな気づきが訪れ、いつかご縁が繋がる日を心より願っております。
(おわり)
(協力:アマゾンジャパン合同会社 様/ 株式会社スタメン 様)
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(この記事の執筆者)


株式会社プラザクリエイト
マガプラ編集部