日頃の努力が花開く──第3回プラザクリエイト接客コンテスト開幕

「お客様設定は、実演10分前にルーレットで決定いたします」──その瞬間、会場がざわめいた。
第3回プラザクリエイト接客コンテストが12月5日、東京・両国のKFCホールで開催された。過去最多144名のエントリーから選ばれた精鋭8名が、真の対応力を試される舞台に立つ。準備してきたシナリオが一瞬で崩れ去る緊張感。それでも、プロフェッショナルは笑顔を絶やさない。
ホスピタリティと販売力の両立を競う新時代


今回で3回目を迎える接客コンテストは、ソフトバンクショップでの接客の価値を追求する社内イベントだ。第2回から大きく変わったのは、評価軸に「販売力」が加わったこと。
そして何より、当日10分前までお客様設定が開示されないという、実践さながらの形式である。
144名──過去最多のエントリー数が物語るのは、組織に根付き始めた「挑戦する文化」だ。
北日本、関東、西日本の各エリアから勝ち上がった8名の中には、入社半年の新人から、2年連続出場の実力者、そしてマネージャーまでが名を連ねる。



会場には全国各地から店長や応援団が駆けつけ、YouTubeLiveでも多くの社員が視聴する。
一年に一度、日頃から磨いている努力が、今、花開こうとしていた。
新谷社長が語った「挑戦する勇気」
開会式で壇上に立った新谷隼人社長は、穏やかながらも力強い言葉で語りかけた。


新谷この大会は、皆さん全員のクルーの方、マネージャーの方が現場でやっている、その取り組みのレベルを讃える場です。
第3回で過去最多の140人を超えるエントリーがあったということ。それだけ、自分を高めたい、挑戦したいという組織の文化が育まれているのを感じます。
続けて社長は、この日ステージに立つことの意味を強調した。



日々の業務に追われる中、練習時間を作るのは容易ではありません。
それでも挑戦したいと感じていただいた140人を超える皆さんに、心から感謝しています。
この1日の投資で、コンシューマー全体の組織が強くなれる。それが、この接客コンテストの価値です。
会場に響く拍手。それは、出場者だけでなく、この舞台を支えるすべての人々への敬意だった。
運命のルーレット–緊張が走る瞬間


そして、第3回最大の変更点が告げられる。



お客様の利用状況は、
ロールプレイング直前10分前に開示いたします。
会場がどよめいた。前回までは事前にお客様設定が配布されていた。しかし今回は違う。
イベントキャッチなのか、機種変更なのか、他社からの乗り換えなのか──すべては運命のルーレット次第。準備してきたシナリオが通用しないかもしれない。
この緊張感こそが、日々の現場で求められる「真の対応力」を映し出す。



実際のヒアリングシート記入から
カウンター案内までの最大時間を想定しています。
という説明に、出場者たちの表情が引き締まる。20分間の持ち時間。
たった10分の準備で、ホスピタリティと販売力の両方を示さなければならない。
審査員からは「販売力」という言葉が何度も繰り返された。Google Pixel 10の魅力をどう伝えるか。PayPay経済圏の提案をどう組み立てるか。
そして何より、お客様に「この人から買いたい」と思ってもらえるか。
【午前の部・第1番】大東由衣さん──関西弁の笑顔が武器


午前の部、最初にステージに立ったのは、ソフトバンクみのおキューズモールの大東由衣さん。
「天真爛漫、笑顔配達人」というキャッチフレーズ通り、明るいオーラが会場を包む。






10分前に告げられた設定は「イベントキャッチでの来店」。大東さんの表情が一瞬、強張る。しかし、準備時間が終わり、ロールプレイングが始まると──そこには完璧なプロフェッショナルがいた。









本日はイベントにご参加いただき、ありがとうございます!
めっちゃ嬉しいです!
関西弁特有の親しみやすさで、一気にお客様との距離を縮める。
ドコモからソフトバンクへの乗り換え提案では、Google Pixel 10の実機を使った体験型接客を展開。



この冷蔵庫の写真を撮って、『今日の夕飯どうしよう』ってGeminiに聞いてみてください。
ほら、レシピが出てきました! これ、めっちゃ便利やないですか?
AI機能のデモンストレーションに、お客様役も思わず「すごい!」と声を上げる。
カメラコーチ、20倍ズーム、そしてPayPay経済圏の総合提案まで、押し付けがましさのない自然な流れで進んでいく。








審査員からは
「実機を使った体験型接客が素晴らしい」
「関西弁の親しみやすさと、提案力のバランスが絶妙」
との評価が寄せられた。
【午前の部・第2番】東本真帆さん──9年の経験が生む安心感


続いて登場したのは、ソフトバンク北加賀屋の東本真帆さん。
プラザ一筋9年目のベテラン。「落ち着いたママ的存在」と紹介される彼女の強みは、圧倒的な安心感だ。






お客様設定のルーレットで告げられたのは「最新iPhoneへの機種変更検討」。
夫婦での来店という設定に、東本さんは落ち着いて準備を進める。






ロールプレイングでは、iPhone 13から機種変更を検討する夫婦に対し、Google Pixelへの乗り換えを丁寧に提案。特に印象的だったのは、データ移行への不安を解消する場面だ。



データ移行は、私たちがしっかりサポートさせていただきますので、ご安心ください。iPhoneからAndroidへの移行も、最近は本当にスムーズになってるんです。




自身の経験を交えながら、不安を一つひとつ取り除いていく。
家族割、ソフトバンク光、PayPayカード割引──経済圏全体でのメリットを、具体的な数字とともに示していく姿勢に、審査員も頷く。
「東本におまかせください、という安心感が素晴らしい」
「丁寧なデータ移行サポートの説明が、お客様の心をつかんでいた」




実演後のインタビューで、東本さんは



緊張で普段の力が出せなかった。
と悔しさを滲ませた。
しかし、その謙虚さもまた、9年のキャリアが生み出すプロフェッショナリズムの表れだった。
【午前の部・第3番】森口竜哉さん──マネージャーが示す覚悟


午前の部3番手、西日本5Gマネージャーの森口竜哉さんは、マネージャーとしての出場者だ。「人材育成に情熱を持つ楽観的思考のマネージャー」──紹介動画に表示されたその肩書きには、重い責任が伴う。






ルーレットが告げた設定は「忘れ物を取りに来たお客様への提案」。
一瞬、会場がざわついた。最も難易度の高い設定の一つだ。しかし森口さんは、むしろ笑顔でこう言った。



面白い設定が来た。やってやろう。




ロールプレイングでは、忘れ物を取りに来たという一見ネガティブな状況を、見事にチャンスに変えていく。
auからソフトバンクへの経済圏切り替え提案では、雑談を交えながら自然に距離を縮める。



今、楽天経済圏を使われてるんですね。
実は、ソフトバンクに切り替えると、PayPayカードで月3万円使うだけで4,000ポイント還元されるんです。
携帯料金にも充当できますよ。
光回線、電気、ガスまで含めた総合的な固定費削減提案。そして何より、「お客様の生活全体をサポートしたい」という姿勢が、言葉の端々から伝わってくる。










審査員からは
「auの経済圏からソフトバンク経済圏へのメリットを的確に説明」
「雑談を交えた距離の縮め方が秀逸」との評価。
しかし森口さん自身は、



準備していた伏線回収ができなかった。
と悔しそうに語った。



この設定、1回も本気で提案したことなかったんです。
でも逆に、めちゃくちゃ新鮮でした。
マネージャーとして部下に指導する立場でありながら、自らリスクを取ってこの舞台に立った森口さん。その姿勢こそが、組織の成長を支えている。
【午前の部・第4番】吉田茂さん──「仏の吉田」の真骨頂


午前の部最後を飾るのは、関東特販3Gマネージャーの吉田茂さん。「仏の吉田」と呼ばれる穏やかな人柄と、特販のベテランマネージャーとしての実力を兼ね備える。










お客様設定のルーレット。告げられた設定は「店頭イベント参加のお客様」。
吉田さんは深呼吸をして、静かに準備に入る。実は彼、当日のために用意してきたものがあった。ブランケット、メモ帳──お客様への細やかな気配りのアイテムだ。しかし緊張のあまり、それらを渡すタイミングを逃してしまう。
それでも、ロールプレイングが始まると、圧巻の接客が展開された。
楽天からソフトバンクへの乗り換え提案では、お客様の予算「月々6,000円」という制約の中で、新端末購入とプラン変更を両立させる提案を組み立てる。



今のお支払いと比べて、実はこちらの方がお得になります。
このプランに今のところどのくらいご興味でてきましたか?
10段階中でいうと何段階ですか?
この「何段階ですか」という問いかけが、吉田さんの真骨頂だ。
お客様が答えやすい質問設計で、段階的にクロージングへと導いていく。
さらに、お子様向けのスマホデビュープランも提案。家族全体での経済圏メリットを、具体的な数字とともに丁寧に説明していく。



お子様も含めて、ご家族全体で見ると、
年間でこれだけお得になります。








審査員からは
「ヒアリング力が素晴らしい」
「段階的な提案が丁寧」「AI機能説明が分かりやすい」
との高評価。
しかし吉田さん自身は、実演後、こう振り返った。



準備しすぎてしまったがゆえに、あれを忘れた、これを忘れたというのが出てきてしまった。手応えとしては、悔しいの一言です。
用意してきたブランケットを渡せなかった悔しさ。アイスブレイクで聞いた内容を十分に活かせなかった反省。しかし、その完璧主義こそが、「仏の吉田」を支える力なのだろう。
午前の部を終えて──高まる期待
4名の実演を終え、会場には静かな興奮が満ちていた。10分前のルーレットという過酷な条件の中、それぞれが見せた対応力。ホスピタリティと販売力の両立。そして何より、お客様に寄り添う姿勢。
「実機を使った体験型接客が素晴らしい」
「経済圏の総合提案が、単なる商品説明を超えていた」
「雑談や共感による距離の縮め方が、プロフェッショナルだった」
審査員からは、共通してこんな評価が聞かれた。






午後の部には、2年連続出場の濱﨑翔太さん、入社半年の新人・末武駿弥さんと古矢彩冬さん、そして前回特別賞の森谷桜介さんが控える。
お客様設定のルーレット。その緊張感の中で、誰が最も輝くのか。
激戦は、まだ始まったばかりだ。
午後の部4名の熱戦と、感動の表彰式の模様は、後編でお届けする。
果たして栄冠は誰の手に──。


※記載の提案内容・キャンペーン・還元率等はデモンストレーション用のものであり、実際とは異なります。
(昨年の接客コンテスト記事はこちら)








(取材・執筆)


いからしひろき
プロライター、日刊ゲンダイなどでこれまで1,000人以上をインタビュー。各種記事ライティング、ビジネス本の編集協力、ライター目線でのPRコンサルティング、プレスリリース添削&作成も行う。2023年6月にライターズオフィス「きいてかく合同会社」を設立。
きいてかく合同会社: https://www.kiitekaku.com/
(撮影)
(編集・デザイン)


西岡明子
株式会社プラザクリエイト/現在はつくるんですマーケティングGマネージャーを兼任。フォロワー数1.6万のつくるんです公式Xを2025年10月まで担当。入社20年超えの長い社歴を生かした目線でマガプラを盛り上げるべく2025年10月よりマガプラ編集部に参加、3代目編集長となる。














