所沢テクノセンター探訪:【第2回】法人営業部の土台を支える、カードプリンター「GRASYS」

社員証、学生証、会員証――私たちの日常に欠かせないIDカード。それらを手軽に作ることができるのがプラザクリエイトが販売する「GRASYS(グラシス)」というカードプリンターです。所沢テクノセンターには、その営業拠点があります。いったいどのような特徴を持つ製品なのでしょうか。
所沢テクノセンター探訪・第2回は、法人営業本部 プロダクト営業部のグラシス担当・和田さんの実演を交えながら、カードプリンターの最新事情に迫ります。
「外注の9分の1」のコストが生む価値


これがGRASYS IDというデザインソフトです。プリンター本体を購入すると付属されるものです
和田さんがパソコン画面を開くと、そこには某スライド作成ソフトに似たシンプルなインターフェースが。実際に社員証のサンプルを作成する様子を見せてくれました。





このように、テキスト、画像、バーコード、QRコードなどを自由に配置できます。感覚的にデザインできるのが特徴です
部署名や氏名、社員番号といった可変情報を、表計算ソフトのデータベースと紐付けることもできるそうです。つまり、データベースに登録された従業員情報を読み込めば、あとはワンクリック。



必要な人の分だけ、すぐに印刷できます。名前からも部署からも検索可能です
驚くべきは、そのコスト。和田さんによれば、外注コストの約9分の1にあたるといいます。



外注すると1枚800円、入退室管理カードだと2,000〜3,000円かかることもあります。GRASYSなら、両面印刷を含めても1枚100円以下に抑えられます
個人情報保護とスピードを両立



もう一つの大きなメリットは、個人情報を社外に出さずに済むことです
従業員の顔写真や個人データを外注業者に渡すリスクを避けられるのは、企業にとって重要なポイント。 さらに、和田さんはこう続けます。



納期の面でも優位性があります。外注では通常数日から1週間かかるところ、GRASYSなら必要なときにその場で発行可能です。新入社員が入社した当日に社員証を渡せますし、従業員が紛失した際も、すぐに再発行できます
こうした利便性から、導入企業は着実に増加していると言います。



発売開始した2009年から、右肩上がりで成長を続けているんです


あっという間にカードが完成しました!
スマホ時代でも「カード」が選ばれる理由
「カードによるID管理はスマホ認証に取って代わられる」――そんな予測は何年も前からありました。しかし、GRASYSの販売は衰えるどころか伸び続けています。なぜでしょうか。



スマホでの会員証管理は、専用アプリの開発に高いコストがかかります。それに、ネットワーク障害のリスクもあります
実際、あるフィットネスチェーンでシステム障害が起き、スマホでの入退室ができなくなった事例もあるそうです。



カードなら、そうしたトラブルとは無縁です。この安心感と信頼性が、今でもカードが選ばれる理由だと思います
導入企業は、一般企業の社員証や学生証、病院の診察券、スポーツクラブの会員証など多岐にわたります。



2,000社以上の事業所、5,000台以上の導入実績があり、世界25カ国で使用されているグローバルな製品なんです
ICチップで広がる、新しい楽しみ方
続けて和田さんが取り出したのは、一見すると、普通のフォトカード。しかし、かざすと「今日はライブに来てくれてありがとう」という音声が流れてきました。実はこれ、和田さんが実験的に作成している、ファン向けのトレーディングカードだったのです。



アイドルのグッズ展開としてご提案しているものです。ライブの入場チケットとして渡して、帰宅後にかざすとメッセージが流れる――そんなストーリー性のある使い方も面白いと思います
GRASYSはICチップだけでなく、病院の診察券などでよく使われる磁気カードにも対応。幅広い用途に使えるのが強みです。


選べる3つのモデル
GRASYSには、用途に応じた3つのモデルがあります。
密かな躍進を続ける陰なるエースを表舞台に
GRASYS営業グループは、所沢テクノセンターを拠点に活動しています。しかし、前回登場したOne-Boに比べると社内での認知度は高くありません。



社内でも知らない人が結構いるんですよ(苦笑)。でも、16年間着実に成長を続けている事業です。もっと社内外にアピールしていきたいですね
雨宮さん自身、GRASYS営業グループの主任として6年間、この事業に関わってきました。



最近は、生成AIを活用した動画制作にも取り組んでいます。商品紹介動画を作って、営業活動に活かしています
法人営業本部内では、クロスセルプロジェクトが進行中。One-Bo、GRASYS、その他の商材を組み合わせた提案力を強化しようという取り組みです。



各商材の魅力を動画で伝えて、誰でも説明できるようにする。そんな仕組みを作っています
カードプリンター「GRASYS」――一見地味に見える製品かもしれません。しかし、その裏には、企業の個人情報保護、コスト削減、業務効率化を支える確かな価値があります。
スマホ全盛の時代にあっても、カードという物理メディアの信頼性と利便性は色褪せません。むしろ、システム障害のリスクが意識される今だからこそ、その価値が再評価されていくことも。
「使い方は無限大です」と胸を張る和田さん。社員証や学生証だけでなく、ファングッズや会員特典カード、デジタル名刺まで――アイデア次第で、カードプリンターの可能性はまだまだ広がっていきます。
次回は、所沢テクノセンターのもう一つの”秘密兵器”、雨宮さんが構築した配信スタジオの全貌に迫ります!
(第3回へ続く)
GRASYSの詳細はこちらから!
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(この特集の取材・執筆者)


いからしひろき
プロライター、日刊ゲンダイなどでこれまで1,000人以上をインタビュー。各種記事ライティング、ビジネス本の編集協力、ライター目線でのPRコンサルティング、プレスリリース添削&作成も行う。2023年6月にライターズオフィス「きいてかく合同会社」を設立。
きいてかく合同会社: https://www.kiitekaku.com/
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