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通訳・コーディネーター真鍋実恵さん×プラザクリエイト新谷社長 特別対談(最終回)「これからの選ばれ方」ー 物語に共感してもらうブランドづくり

目次

新谷社長がフランスの展示会で出会った、パリ在住の通訳・コーディネーターの真鍋さん。本企画では、そんな出会いから始まったお二人の対話を通じて、現地で得た学びやブランドづくりへのヒントを3回に渡りお届けしてきました。

最終回となる今回(第4回)では、パリでの体験から導き出された「世界で選ばれるために欠かせない視点」をどう活かしていくのかを軸に、プラザクリエイトの今後のブランドづくりのあり方について語っていただきます。

参加者PROFILE

真鍋実恵(まなべ みえ)

大学卒業後、単身渡仏してパリ市内の服飾専門学校に通い、パタンナーとして複数のアトリエで修行する傍ら服作りを開始。その後自身のアパレルブランドを立ち上げる。現在はモード業界での経験を生かし、主にファッション系展示会での買い付けアテンドやリモートバイイング、企業の出展サポート・商談通訳等を行う。パリ郊外在住。

新谷 隼人(しんたに はやと)

株式会社プラザクリエイト 代表取締役社長
広告代理店勤務を経て、株式会社リクルートに転職し、3年連続でMVPを獲得。リテール新規開発グループやカスタマーサクセス領域にてマネージャーとして活躍。2019年に株式会社プラザクリエイトへ入社。取締役を経て、2022年より代表取締役社長に就任。

目次

パリで得た最大の学びは「ストーリーの力」

真鍋

今回の滞在で一番印象に残ったことは何でしたか?

新谷

「見せ方」と「ストーリーの力」です。展示会で商品説明が始まっても、すぐに価格や仕様の話にいかないことが、とにかく衝撃でした。むしろ「どうしてこれを作ったのか」「誰が作っているのか」から話すブランドが多かったですね。

真鍋

背景を知って買うと、その後の愛着も変わりますからね。

新谷

「今なら30%オフです」と値引きやコスパで勝負するのではなく、商品の背景や作り手の思いをしっかり伝えることで、価値が何倍にも高まっていると感じました。

真鍋

他には何かありましたか?

新谷

「自分ごと」で語れる人の存在の大切さです。単なる説明ではなく、自分の体験や思いを交えて商品を語れる人がいると、そのブランドは本当に強い。

真鍋

展示会では、そういう人の周りに自然と人が集まっていましたものね。やっぱり、話し手の熱量って伝わりますし、フランスでは特にそれが購入のきっかけになりやすい気がします。

新谷

今回の経験で、プラザクリエイトとしても“物語を語れる人”をもっと増やしていきたいと思いました。

プラザクリエイトも「物語を届ける」戦い方へ

真鍋

パリでの学びを実際に事業に落とし込むとしたら、どんな形になりそうですか?

新谷

まず一つは、売り場の作り方ですね。商品の横にストーリーを添えるだけで、見え方が大きく変わると思います。たとえば「どんな人がこの商品を手がけたのか」「どんな背景で生まれたのか」といった体験を空間の中に組み込む。具体的な方法はこれから検討しますが、単なる陳列ではなく“物語のある売り場”をつくることが大事だと思いました。

真鍋

日本のお店はどうしても効率や機能性を重視しがちですよね。だけど、ストーリーを知ると「この商品を応援したい」と気持ちが変わる。売り場でそれを感じてもらえたら、すごく力になりますね。

新谷

二つ目は、デジタルとの連動です。これは「物語のある売り場づくり」の方法の一つになると思いますが、たとえば商品にQRコードを付けておいて、それを読み込むと製造過程の映像や、生産者のインタビューが見られる。展示会でもそうした仕掛けが多くありましたが、オフラインの売り場体験をデジタルで補完すると立体感が出ると思いました。

真鍋

なるほど。値引きやセールではなく、「価値」で売るための工夫ですね。

新谷

「なぜこれを扱うのか」「なぜこの商品が生まれたのか」といった物語をきちんと届けていく。それがこれからのプラザクリエイトの戦い方になると考えています。

主張しなければ埋もれてしまう

新谷

真鍋さんの感想も聞きたいです。今回の展示会を通じて、どう感じましたか?

真鍋

やっぱり「主張しないと埋もれてしまう」ということを再認識しました。他の展示会で日本ブランドのブースを見かけたこともあるのですが、全体的に控えめで、説明も淡々としていた印象です。

新谷

確かに、商品のクオリティが高くても、声を上げなければ誰にも届かないですよね。

真鍋

フランスでは、自分の思いや価値をきちんと伝えないと淘汰されてしまいます。単に“いいものを作れば売れる”のではなくて、「なぜこれを作ったのか」を人との距離を縮めながら語る姿勢が大事なんです。

新谷

日本人はどうしても謙虚さを大切にしてしまいますからね。

真鍋

もちろん謙虚さは大切ですけど、それだけでは海外では難しい。私は通訳・コーディネーターの仕事柄、さまざまなブランドや人に関わりますが、思いを正面から伝えられる人はやっぱり強いんです。

新谷

真鍋さん自身は、これからどんな挑戦をしたいですか?

真鍋

これまでは単発の案件が多かったのですが、今後は連続的にひとつのプロジェクトに関われるような仕事をしてみたいです。ブランドや人が成長していく過程に寄り添いながら、一緒に物語を紡いでいけるような仕事ですね。

新谷

いいですね。継続性があると、物語の深みも出てきますしね。

真鍋

そう思います。私は日々のことに全力投球するタイプで、上場企業の経営者のように長期的な計画を立てるのはあまり得意じゃない(笑)。でも、だからこそ今後は「継続」をキーワードにしていきたいなと考えています。

「共感」で人の心を動かすブランドへ

新谷

真鍋さんの言葉を聞いて、改めて「物語をしっかり伝えて、共感してもらうこと」がすべての出発点だと感じました。それは新商品だけでなく、これまで扱ってきた商品ひとつひとつにあるはず。その価値をどう再発見し、伝えるかが今後の課題ですね。

真鍋

過去の商品や人の歩みを掘り起こして、新しい価値として届けていく、ということですね。素敵な視点です。

新谷

機能や価格の比較だけでは消耗戦になってしまいますから。それに巻き込まれないためには「お客様の心に響く理由を持つこと」だと思うんです。さらに、すべてを説明し尽くすのではなく、受け手が想像したり共感したりできる“余白”を残すことも肝心。その余白が、ブランドの強さになるはずですから。

真鍋

商品だけじゃなく、人や企業の姿勢も「選ばれる理由」になる。これからはそういう時代ですね。

新谷

はい。物語を通じて人の心を動かすブランドを育てていきたいと思います。

フランス現地で得た学びをもとに、プラザクリエイトの今後のブランド戦略まで深く掘り下げてお届けしました。取材に快くご協力いただいた真鍋さんに心より感謝いたします!

(終わり)

(この記事の取材・執筆者)

綾部まと

三菱UFJ銀行の法人営業、経済メディア「NewsPicks」を運営するユーザベースのセールス&マーケティングを経て、独立。フリーランスのライター・作家として、インタビュー記事、エッセイやコラムを執筆。フランス・パリ近郊の町に在住。3児の母。趣味はサウナと旅行。
X:https://twitter.com/yel_ranunculus
Instagram:https://www.instagram.com/ayabemato/

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