開発・企画者インタビュー:食べられないおいしさ──粘土キット開発者が語る「つくるんです®︎ トイフードシリーズ」【後編】

アイキャッチ画像(マガプラ記事no.63 用)トイフードシリーズ開発秘話に迫る

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食べられないけれど、どこか食欲をそそる粘土のミニチュアフード。「つくるんです®︎ トイフード」シリーズにスポットをあてた今月の特集─第2回は、商品開発の舞台裏に迫ります。

リアルでありながらかわいいデザイン、国産粘土を使った感触の良さ、説明書の工夫etc...。ディテールにこだわった開発裏話と今後の展開について、シリーズの開発者である永井さんと名取さんに伺いました。

参加者PROFILE

永井 麻友香(ながい まゆか)

株式会社プラザクリエイト ソウゾウ事業本部 ビジネスデザイン部事業開発グループリーダー。
美大卒業後、インハウスデザイナーや広告制作会社勤務、フリーランスデザイナーを経て2020年1月にプラザクリエイト入社。元々グラフィックデザイナーとして入社したが、現在は開発担当として活躍。

名取 舞英(なとり まえ

株式会社プラザクリエイト ソウゾウ事業本部 ビジネスデザイン部。
2021年に新卒入社。入社当初から「つくるんです®︎」シリーズに関わり、現在はビジネスデザイン部で開発を担当。営業企画や商品のスケジュール管理、説明書編集など幅広い業務を担当。

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商品選びでこだわったのは“写真映え”

商品開発の過程で印象に残っているエピソードはありますか?
永井

最初のラインナップから、いくつかボツになった商品があるんですよ

名取

そうそう、当初はクロワッサンもあったんですが……外されました

その理由は?
永井

可愛らしかったんですが、見た目があまり映えなかったんです

名取

写真映えしないというか。パッケージに並べたときに目を引く華やかさが大事だったので

つい手に取りたくなる、写真に撮りたくなるインパクトを重要視
永井

代わりに、カラフルで見栄えのするものを最終的に残しました。
「お客様が直感的に「作りたい!」と思えるか?」が選別の軸でしたね

名取

最初はウインナーパンやチョココロネなども候補だったんですが、今の12種類のラインナップに落ち着きました。やはり色合いや、形の可愛さを吟味しての結果です

パッケージデザインもこだわりがありそうですね?
永井

そうなんです!色合いはスイーツやパンを連想させる、温かみのある色を採用しました。最初はピンク系で揃えようと思っていたんですが、焼き菓子やブレッドは、少し暖色系の方が美味しそうに見えるかなと色々テストしました

永井はパッケージデザインも担当
名取

それと、フックがあるパッケージにしたのもポイントです。棚だけでなくフックにも掛けられるので、お店の陳列の自由度が高まります

永井

パッケージの写真撮影も、実際にスタイリングしてカメラマンさんに撮ってもらいました。本物のお菓子みたいに見えるよう、テーブルセッティングにもこだわっています

こだわりが詰まったパッケージがこちら!

リアルな仕上がりの秘訣は粘土の配合

実際に商品を作るときのコツはありますか?
名取

説明書通りに粘土を配合することですね。色を作るのは意外と難しいので、最初は説明書の配合に沿ってつくってみることをお勧めします

粘土の配合の比率も、力作の説明書に記載済みだ
永井

あと、シュークリームのようなクリーム絞りが必要なものは、口金を使って本物そっくりに仕上げられるようになっています。最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れると楽しいですよ

名取

ブルーベリータルトのブルーベリーの作り方もポイントです。表面に凹凸をつけるとリアルに見えます

永井

サンプルを作ってくれたアーテックさんのスタッフは本当にプロフェッショナルで。私たちが一般の方でも作りやすいようにアレンジしました

お二人の好きな商品は何ですか?
永井

私はブルーベリータルトが好きです。完成度が高くて可愛いんですよね

名取

私はショートケーキとシュークリームですね。クリームを絞る工程が楽しいです

永井のお気に入りはブルーベリータルト。これは確かにリアル!
シュークリームの推しポイントを熱弁する名取と、そうそう、とうなづく永井
永井

でも、全部作っていると、それぞれに愛着が湧いてきますよね。どれもお気に入りになってしまいます

一つ一つに可愛らしい魅力があり、推しを一つに定めるのは至難の業かもしれない
実際に作ってみて難しかった点はありますか?
名取

やはり粘土の配合ですね。ほんの少し配合を間違えるだけで色味が変わってしまうので、その繊細さに驚きました

永井

でも、それも含めてのつくる楽しさですよね。完璧にできなくても、それが自分だけの味になりますから

名取

あとは、ブルーベリーのような細かいパーツを作るのは慣れが必要かもしれません。でも、失敗しても何度でも作り直せるのが粘土のいいところです

永井

そうですね。いくらでも形を変えられるので、納得いくまで調整できます。その点は他の「つくるんです®︎」シリーズにはない魅力ですね

どんな方に楽しんでほしいと思いますか?
永井

可愛いものが好きな方、手先を動かすのが好きな方に特におすすめです。今回は10歳からの対象年齢にしていますが、親子で一緒に作るのも楽しいと思います

名取

不器用さんにもぜひ挑戦してほしいですね。社内でも不器用な方に作ってもらったんですが、「思ったより自分でもできた!」と喜んでもらえました

永井

何かをつくることに苦手意識がある方でも、このトイフードシリーズは失敗を気にすることなくチャレンジしていただけるのかなと

名取

それに、最近はSNSでハンドメイド作品を投稿される方も多いので、そういった方にも楽しんでいただけると思います。オリジナルアレンジを施して自分だけの作品を作るのも素敵ですよね

どんどん広がるトイフードの可能性

今後の展開はどのようにお考えですか?
永井

今回はスイーツ中心でしたが、今後はお寿司や唐揚げなどの食べ物シリーズも展開できたらいいなと思っています

名取

カフェとのコラボも面白そうですよね。コメダ珈琲さんのシロノワールとか作れたら楽しそう

永井

そうですね!企業コラボもぜひ実現させたいです

企業コラボにも意欲を見せる二人
名取

実は既に展示会でご紹介した際、お取引先様からの反応もとても良かったんです。他のシリーズとはまた違ったお客様層にも楽しんでいただける商品になればと、期待が膨らみます

最後に読者へのメッセージをお願いします
永井

「つくるんです」はつくる楽しさを再発見するきっかけになる商品です。今回のトイフードシリーズも、ぜひ気軽に挑戦してみてください!きっとワクワクや喜びがあると思います

名取

作り方に迷ったりしても大丈夫です。詳しい説明書や動画サポートがありますし、コールセンターでのサポートも充実しています。自分だけのオリジナルフードを作る楽しさを味わってください!


「つくるんです®︎」の新しい可能性を開拓した「トイフードシリーズ」。友達や家族とワイワイつくるのはもちろんのこと、一人で没頭してみるのも楽しそうです。完成品は、デスクに飾ったりするのも良さそうですね!目に入るたびに小腹が空いてしまうかもしれませんが。

さて次回は、何やらSNSでトイフード関連のイベントが予定されているらしい?と噂を聞きつけましたので、その真相を担当者に直撃してきます!

【第3回 プロモーション担当者編へつづく】

トイフード総選挙実施中!

商品情報

つくるんです®︎ トイフードシリーズ 全12種

参考小売価格:1,650円(税込)
全国の取扱店舗/公式オンラインショップで販売中

  • 対象年齢:10歳以上
  • 製作時間:15分〜45分(商品により異なる)
  • 特徴:国産粘土使用、キーホルダー金具付き、QRコードから製作動画視聴可能

公式オンラインショップ

(この特集の取材・執筆者)

いからしひろき

プロライター、日刊ゲンダイなどでこれまで1,000人以上をインタビュー。各種記事ライティング、ビジネス本の編集協力、ライター目線でのPRコンサルティング、プレスリリース添削&作成も行う。2023年6月にライターズオフィス「きいてかく合同会社」を設立。

きいてかく合同会社: https://www.kiitekaku.com/

(撮影者)


蔦野裕

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