広報山中の気になるものリサーチ!「くず餅」といえば「船橋屋」!200年以上を紡いできたその歴史とは

プラザクリエイトの広報が、気になるもの・場所・人のことをリサーチする「広報山中の気になるものリサーチ!」。
第4弾は、前回取り上げさせていただいた、株式会社 船橋屋さんの魅力を更に掘り下げていきます!(前回の「船橋屋」の春限定スイーツ「桜くず餅」実食レポートはこちら)
長きにわたる伝統・歴史と、多くの人に愛される秘訣とは……!?
登場人物PROFILE

山中 晴奈(やまなか はるな)
株式会社プラザクリエイト・マガプラ編集部員。広報・社長秘書を兼任。
前回「船橋屋 亀戸天神前本店」さんにて、春の限定商品「桜くず餅」に舌鼓を打った。

船橋屋・広報さん
株式会社 船橋屋の広報さん。
くず餅の魅力訴求はもちろんのこと、SNSでの「フナバシスト」との交流にも力を注ぐ。
創業は江戸時代に遡る

くず餅、とっても美味しくて、幸せな気分になりました。本当にありがとうございました!



楽しんでいただけて何よりです!



今回は船橋屋さんについて、さらに詳しくお伺いさせてください!伝統のある老舗というイメージが強いのですが、創業はいつ頃なのでしょうか?



江戸は文化2年(1805年)、十一代将軍・徳川家斉の頃です。おかげ様で、今年で創業220年を迎えることができました







創業100年でもすごいと感じるのに、220年……本当に壮大です。その始まりはどのようなものだったのでしょうか?



船橋屋初代の出身地(※下総国(千葉県北部))が良質な小麦の産地だったんです。そして、その小麦粉を原料としてつくったくず餅を、地元の方々がよくおやつとして食べていたんですね。これを商品化して、東京・亀戸天神の境内で売り出したことが始まりでした





いつの間にか、参拝客の間で話題となり、江戸の名物の一つに数えられる程の評判をいただけるようになったのです
【参考】


明治初頭に出たかわら版「大江戸風流くらべ」において、江戸名物として「亀戸くず餅(久寿餅)・船橋屋」が番付され、船橋屋の名声を不動のものに
困難を乗り越え続けてきた「想い」とは



長い歴史の中で、大切に育まれてきたんですね。創業200年以上となると、私たちが想像できないような様々な困難があったんだろうと拝察します



そうですね。さまざまな危機に直面しても乗り越えられてきたのは、「美味しいくず餅をたくさんの方に味わってほしい、それを後世へ繋ぎたい」という想いが、強く受け継がれてきたからだと思います



特に東京大空襲の時は、本店が焼失してしまうという大変な事がありましたが……


昭和20年3月戦災により焼失



!!



当時の仲間の機転によって乗り越えることができました。くず餅の原料の入った大樽に水を張り、土をかぶせ、くず餅の原料を戦争から守ったんです。焼け跡の中から掘り起こし、奇跡的に残った原料が今のくず餅につながっています



すごい重みで一瞬言葉を失いました……!本当に大切に受け継がれてきたんだなと



それを乗り越えた戦後も、きっと一筋縄ではいかないことだらけだったのではないでしょうか?



東京大空襲の後は、原料調達に苦戦していた時期でした。物価の上昇により、価格が高騰した商品も多くあった頃です。それでも船橋屋は、公正価格での販売にこだわり続けたんです



まさに先ほど仰っていた「美味しいくず餅をたくさんの方に味わってほしい」という想いからなんですね



はい。今でも会社に受け継がれている、「船橋屋であること」に誇りを感じるエピソードです



苦しい時でも時代に流されず、誠実にお客様と向き合っている船橋屋さんだからこそ、こんなにも多くの方に愛されていることが改めて分かりました。その魅力は世代を超えて伝わり、今に繋がっているのですね
くずもちくんと地域を盛り上げたい



お聞きしてきた通り、船橋屋さんは長い歴史と伝統をお持ちで、既に多くのファンがいらっしゃると思います。でも、それにおごらず、新しいことにチャレンジされている姿勢がすごく素敵です!



ありがとうございます!弊社が大切にしてきた220年のブランドを崩さず、「くず餅」の魅力を広く・深く伝えるために、チャレンジし続けるというバランスを重視しています



例えば、船橋屋公式キャラクター“くずもちくん”が良い例かもしれません。より多くの方に、くず餅や船橋屋のことを知ってもらい、親しみを持っていただきたいという願いから誕生したキャラクターなんです
くずもちくんとは
その愛らしさで様々な年代のフナバシストを魅了する、船橋屋公式キャラクター。
一見するとおにぎりっぽいが、よく見ると顔の形がきれいなくず餅シェイプでとってもキュート!









くずもちくん、めっちゃ可愛いです!フォルムがたまらんとです…!



船橋屋さんのXで、くずもちくんが「おはくずもち!」とつぶやいているのを拝見しているのですが、すごく癒されます(笑)





嬉しい!ありがとうございます



「#くずもちくんの亀戸さんぽ」というシリーズでは、地域も一緒に盛り上げていきたいという想いも感じます







色々チェックくださって、ありがとうございます!



船橋屋は東京・亀戸の地域と共に育ってきた企業ですので、地域をいかに盛り上げることができるかを大切に考えています。これからも、くずもちくんと一緒に亀戸全体を盛り上げ、町の魅力発信に貢献していきたいと思っています!



“東京・亀戸に船橋屋あり”、ですね!
「フナバシスト」で広がる交流の輪



と言いつつも、SNSを活用した広報って、なかなか難しいところもありますよね。特に心がけていらっしゃることなんかあるんですか?



SNSでは、一方的な発信ではなく、お客様との「共創」を意識して活用しているんです



共創、ですか



はい。例えば、船橋屋のファンでいてくださる方のお名前(ファンネーム)を募集したところ、すごく盛り上がりまして、「フナバシスト」という名前に決まったんですよ



「フナバシスト」響きがカッコ良すぎて。この言葉を知ってから、何度か一人でボソッと「フナバシスト…フナバシスト…」って呟きました(笑)



(笑)私もすごくお気に入りです



あとは、9月2日を「くず餅の日」として制定したのですが、それもSNSでのフナバシストの皆さんとのコミュニケーションで生まれたものなんです
【参考】


くず餅の美味しさや伝統和菓子としての価値をもっと多くの人に知ってもらいたいという想いから、9月2日を「くず餅の日」として制定し、一般社団法人日本記念日協会からも認定を受けました。



正式に認定された記念日なんですね!すごい!



さらに、フナバシストの皆さんと社員がくず餅への愛を語り合うというファンミーティングも開催したんです





あああ可愛い!これは盛り上がりますね…!



はい、ありがたいことに大盛況でした。くず餅のクイズ大会や新商品先行試食を行ったり、船橋屋に期待していることなど、意見交換会も実施したんですよ







フナバシストにとっては最高の1日になりましたね!



予想以上にたくさんの方にお越しいただき、本当に嬉しかったです!今後もこのような機会を設け、フナバシストの皆さんと船橋屋の繋がりがより大きな輪となり、広がることで、くず餅の価値が更に多くの方に伝わると嬉しいです



私もフナバシストとして参加してみたいです!ぜひ、素敵な活動を続けてくださいね。応援しています!



はい!皆様にそう言っていただけるのが何よりの励みです



本日は本当にありがとうございました!今後も末長く、どうぞよろしくお願いいたします!
取材を終えて
伝統を守りながら進化し続ける船橋屋さん。
その長い歴史と、時代が移り変われど変わることのない想いについてお聞かせいただきました。
実は広報界隈では、「船橋屋さんの広報はすごい!」といつも話題になっているのです。今回お話を伺って、その理由が垣間見えた気がしました。
老舗企業でありながら、それにおごらず、まずは「くず餅の魅力を知ってもらい、ファンになってもらう」という取り組みがすごく素敵な船橋屋さん。今後もその挑戦に注目させてください!
(取材協力/株式会社 船橋屋様)
(この記事の著者)


山中晴奈
株式会社プラザクリエイト・マガプラ編集部員。
広報・社長秘書を兼任。メディア担当、プレスリリース配信も手がける。